Webデザインの学習って結構大変で、実際挫折する人も多いんですよね・・・。
Webデザインスクールに通う生徒の中には非常に成長性の高い人や、逆に成長が遅く、途中で挫折する人がいます。ここには、共通する相違点がありました。
本記事では、とあるWebデザインスクールで直接生徒にWebデザインを教えるメンターをしていた経験をもとに、指導した生徒さんの成功、失敗のパターンを解説いたします。
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挫折せずにWebデザイン学習を行う6つのポイント
Webデザインを効率よく学習すべきために押さえておきたいポイントを解説します!
- サイトを自分で作りたいという思い
- アウトプットを重視すべし
- 知識の深掘りは禁物
- コード学習を重視すべし
- 基礎を疎かにしない
- Webデザインを仕事にするなら600時間!
関連:未経験者がWebデザインを独学で勉強する方法を徹底解説【現役Webデザイナー直伝】
サイトを自分で作りたいという思い
自分でサイトを作ってみたいという気持ちがまずは大切!
スクールに通う人は20代から40代まで幅広く、そのほとんどがWebデザイン業界やWeb業界への就職(転職)が目的です。
特に30代以降で、転職の難しさを「Webデザインスキル」でカバーしたいと考えている人が多い印象があります。ただアピール材料としてのみWebデザインを考える人の伸びしろはぶっちゃけ、そこまで大きくはありませんでした。
逆に、成長速度が速い人は「ワクワク感」を持っている人であったりします。作りたい作品がある、実現したいスキルから来る思いです。「このデザインはどう作られていますか?」と作りたいサイトについて素直に聞いてくる人は学習速度が速いのです。
この違いが、学習の局面で如実に現れます。Webデザインはエラー処理の連続で、特に初めはここに多くの時間を費やします。Webデザインの習得が速い人は、まず自分で調べたり、自分なりのやり方を何度も試していました。
講師はたまにヒントを出し、大抵の場合それで解決しました。逆にできない人は、すぐに解決策を求め、それが来るまで何もしない傾向にあります。
デザイン自体に興味が薄い、あるいは就職などそれ以外の目的が強く優先している人は、習得速度にも出るのかなと思います、、、。
とにかくアウトプットを重視すべし
インプットよりもとにかくアウトプットを重視すべき!
Webデザインスキルの習得が遅い人の特徴は、「最初に全部を知りたいと思う人」でした。
インプット重視は実はかなり非効率で、「頭で理解したことを実行しても思い通りに動かない」はよくあります。スキルを伸ばしたいなら、自分のミスから学ぶ方が成長への近道です。そのために実際に手を動かし作品を作る、いわゆるアウトプットを先行させることが重要です。
アウトプットを重視する場合、多くのエラーと遭遇しますが、この克服経験こそ最大の教材となり得ます。スクールで学習する人には教材が用意されていますが、この教材は、知識を最少限度のものとし、学習レベルに応じた作品を作るものが多いものです。
大学のように講義があって、1から10まで手取り足取り教えてくれるスクールは少く、エラー解決に応じて個別に対応しているはずです。実践重視のカリキュラムでは、自走能力を育てることを想定しているからです。
さて、エラーと遭遇した場合、成長が遅い人は、エラーから何も学ばず、何度も同じ誤りを繰り返します。逆に成長する人は、解決までの苦しみを忘れないように情報を整理しています。例えば、CodePenを使えば簡単に自分のミスを記録して何度も見返せますし、参考になるサイトをブックマークしてエラーが発生した際には常にチェックするようにしています。このような経験の整理で後の問題解決に大きな差が生まれます。
知識の深掘りは禁物
特に職人肌の人は、一つの知識の深掘りに時間を割く傾向がありましたがこれも非効率です。
知識の深掘りをすると、なかなか先に進めません。
重視するべきは、知識の習得ではなく作品の完成です。理解を重視し、時間をかけて1つの作品を作るよりも同じ時間内で複数の作品を制作することが学習効果が高いのです。作品を制作する中で必要な知識は上塗りされ、自然と定着します。最初から、全てを深く理解しなくてよいという点を頭に入れて学習するようにしましょう。
Photoshop・Illustratorよりコード学習を重視
学習者のよくある誤りとして、PhotoshopとIllustratorに偏る学習をすることがありますが実はこれは誤りです、、!
Webデザインは、あくまでもコーディングが中心です。
後のメンテナンスを考え、出来るだけCSS(サイトのデザインを司る言語)などの装飾技術でカバーしようというのが現在の基本的な学習の流れです。
バナー広告やページ内のスポット的な画像編集を除き、PhotoshopとIllustratorのみに頼ったサイト作成は実務的ではありません。
Webデザインはあくまでもコーディングが中心であり、学習スピードが速い人は、PhotoshopとIllustratorの学習はほどほどに、スマホ対応のデザインやWordPressのカスタマイズ(自分でデザインしたサイトをWordPressに組み込む作業)などより難易度の高いコーディングに時間を割いています。
イラレやフォトショのような、デザインスキルは、後回しにした方が効率的なんですね!
Webデザインの基礎は必要
これまで理解はほどほどに「進む」ことの大切さを訴えてきましたが、最低限の基礎知識は理解しておく必要があります。
少なくともドットインストール(初学者向けプログラミング学習サイト-Webデザインも含む)での学習レベルは全て理解する必要があり、これは決して重い学習ではありません。
分からない点を「検索」する際に、基本の理解の差が出ます。成長が速い人は、この検索力が非常に高く、求める情報にすぐにたどり着きますが、基本を知らないとどんな言葉で検索して良いのかがわかりません。
例えば、「after:2019 “ブロック要素” “インライン要素” “違い”」とgoogleに打つだけでかなり情報が絞り込めますが、それは「ブロック要素」や「インライン要素」という基本的なHTMLの用語の意味を知っているからです。
※「ブロック要素」、「インライン要素」は、HTML学習の初期に学ぶ基礎知識の一つです。
参考:未経験者がWebデザインを独学で勉強する方法を徹底解説【現役Webデザイナー直伝】
Webデザインを仕事にするなら600時間!
ちょっと発展的な話をしますね!
就職レベルで最低600時間の時間確保
WordPressのカスタマイズまでを目指すとして、1日10時間の学習を1ヶ月続け、一通りのスキルを得て、次の1ヶ月で自分の作品を最低2つ制作するまで合計2ヶ月、約600時間必要です。これが1日を使った場合の平均的モデルですが、社会人の場合は1日に2時間程度は最低確保し、それを約1年続ける必要があります。
社会人の場合、これだと途中でモチベーションが下がります。挫折する人の特徴は、忘れては、リセットの繰り返しで、いつまでもエラー解決能力が身につかないことです。それにも関わらず、時間のプレッシャーに押されて進み、更なる難問に対応できずに諦めてしまいます。集中的に2ヶ月学習される方と短時間を約1年続ける方では後者の挫折率が高かったです。社会人の方は、1日2時間程度を1年も確保し、継続できるのかを自問してください。
作品制作に対する時間の少なさ
全確保時間の内訳として5を学習に、残り5を自己作品の制作に当てるのが理想です。難しくても6対4としてください。就職にしろ、フリーランスで案件を獲得するにしろ、ここでの作品の質は将来の利益に関係します。
ただ実際はこのプロセスに時間をかけていない人の方が多かったのです。逆に就職できた人は、作品が評価されていました。仮にメンターがいて、実務経験者の場合は、この制作へのアドバイスこそ価値が高く、有効に使わない手はありません。スクールに通わない人でも、MENTAというサービスを使えば、自分にあったメンターを探すことができます。学習を始める前に、この学習時間の見積もりと時間配分を想定してから学習を初めてください。
この記事のまとめ
学習の費用対効果を最大にできるかは、学習を開始する前にある程度判断できると私は考えています。Webデザインを始めるか迷っているなら、TwitterやWebデザイナーコミュニティなどでWebデザイナーとして働いている人に直接相談してみてもよいでしょう。
その際、年齢、自分の環境、目指すものなどを率直に伝えましょう。利害が絡む人材会社やスクールからは得られない、本音の意見がもらえるかもしれません。
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